先日のNHK大河ドラマで、長州萩の松下村塾
吉田松陰の妹 文 が
上司の妻たちに お土産を持って行くとき、自分で作って持参し、

今江戸で評判の 船橋屋の羊羹、その練羊羹の作り方を得て、自分で作ってみましたの」と差し出すシーンがありました。

幕末の江戸市中の有名店を探すには 復刊されたこの下の本を探します。
『商人買物独案内』です。 一人でも買い物に行ける有名店ガイドブックという意味です。

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「く」の巻 209ページ 「くわし」 の項目に、下のような店名を見つけられます。

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(1) 深川佐賀町の菓子屋の主人、船橋屋織江は、大当たりとなった練羊羹などの製造販売を行っただけではなく、甘味好きにお菓子の製法を被歴・伝授した本を書き 印刷製本した『菓子話船橋』があり、天保12年(1841)に刊行しました。
下に掲げるのは、
国立公文書館所蔵の 1915年刊の「雑藝業書」第2に収録されている活字版で す。

菓子話船橋活字本

※画上でクリックすると 大きくなって読めます

(2)左ページの目次からは 「砂糖一切煎方」(砂糖の煎じ方)から 「紅白玉露糖」の製法まで全80条が載っていることが わかります。また、 右ページの 凡例には、およそこんなことが書いてあります。 

 ➀ この本は、お菓子好きの素人の方のために書いたもの。
➁商売でな く趣味でお菓子を作ってみたい方は、この本に書かれているレシピどおりに作ってみましょう。まずまずのお菓子が出来上がるはずです。
 ③「利潤を離れて製する時は、珍しく至りて面白き品も出来るなり。宜しく工夫在して製して見給ふべし」
  つまり 「商売でなく趣味としてつくれば、かえって面白い珍菓が出 来るでしょう。さあ皆さん、それぞれ工夫してお菓子を作ってみま しょう!」と、今流行で 押すな押すなの菓子店とは思えない、あれこれわかりやすく 作り方を教えてしまうという自信と度量の広さを示しています。

  当時 発行されたのは もちろん 木版本でした。 それでは 話題の「練羊羹」のページを開いてみましょうか

菓子話船橋木版本
国立国会図書館所蔵の 『菓子話船橋』 船橋屋織江 著 和泉屋市兵衛 刊  天保12年(1841)刊 1冊

▼図書館の解説には このように説明されています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

深川佐賀町の菓子の名店船橋屋は文化初めの創業で、練羊羹を売り物としていた。本書は その船橋屋の主人が、店に伝わる菓子の製法を、素人の菓子好みの人々が作れるようにと 分量付きで記したもの。『料理通』の菓子編といった趣があり、同じく「江戸流行」 の角書きを持つ。
 羊羹はかつては小麦粉や葛粉をつなぎとし、蒸して固める蒸羊羹が一般的だったが、十八 世紀後半には寒天で固める練羊羹が、口当たり日持ちのよさで人気を集め、各地に広まった。 提示は名物の練羊羹の製法を記した部分。ほかに麦羊羹、胡麻羹、百合羹、白羊羹など様々な 素材の羊羹の製法も記載されている。
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(3) このお土産に 船橋屋の練羊羹を自作して持っていく場面については
たくさんの方が 気づいて NHKのフェースブックに投稿しています。NHKもこんな写真・回答を用意していました。

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①菓子話船橋 → https://www.facebook.com/nhkhanamoyu/timeline?ref=page_internal
② レシピ本 → http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/special/hakunetsu/index16.html


                                               つづく


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2015.03.31
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